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出典で引用されている『摂津名所図会』によれば「日出坂村の上方にあり、丹波油井村へ出づる。大坂天満橋より此所まで十三里十五町六反、堺小路より十六里二十五町一反、又此嶺より丹波篠山へ一里半」。明治三十二年七月に阪鶴鉄道(現在のJR福知山線)ができるまでは、丹波と摂津を結ぶ道としてよく利用された。現在は川沿いに国道176号が開通し、かわりにこの峠の隣を舞鶴自動車道が堀り割って抜ける。
丹波の人々が杜氏として灘五郷に出稼ぎに出る時もこの峠を越えた。「丹波出る時ゃ涙で出たが、藍の日出坂歌で越す」と道中歌にも謡われている。茶店も繁盛し、日出坂田楽という名物すらあったようだ。(「兵庫の峠」)