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「兵庫の峠」巻末の一覧に掲載。峠中腹の「おろち池」には大蛇にまつわる伝説が残る。山に千年、野に千年住んだ大蛇がこの池におり、竜になるために海に出たいと思っていたが、池の回りのムロ松が葉が落ちる度に背中に刺さって痛くてたまらない。邪魔なこの木を何とかしたいと、ミコに化けて人間をだまし、伐らせたという。ムロ松を伐った堤はたちまち壊れ、大蛇はそれに乗じて海に出たと言い伝えられている。村人はその後ムロ松を植え直し、今でも池の回りにはムロ松が多い。(「兵庫の峠」)
備前市の三石と兵庫県赤穂市との県境で山陽自動車道が併走する。赤穂側から、直線の多い2車線舗装路を淡々と登る。峠も風情はないと感じた。(吉永さん)