北薩地方有数の霊山・紫尾山への「上宮メイ(詣り)」道として栄えた。3月16日の祭日には周辺の住民がこぞって紫尾山へ登り、9合目にある上宮神社に米や魚、塩などを供え、また太鼓三味線で手踊りを奉納した。もちろん酒を酌み交わしての直会も、男女の出会いの場としても親しまれてきた。この信仰は田植えの始まりにあたって山の神が里に降り田の神となるという云われに基づくものとされる。この信仰は広く薩摩全域に伝わっており、水田端には「田の神様(タノカンサァ)」の像が多い。(「九州の峠」)
・pdbq・堀切峠