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高知県には狼と人との交流を伝える昔話が多いようだが、北川側の峠道に送り狼の伝説が残る「笠松」がある。自分の獲物と見せかけて、魔人の集団から旅人を救ったという話(柳田國男の著述にもあったはず。全集10・桃太郎の誕生「狼と鍛冶屋の姥」?)。『土佐州郡志』に「杖立峰は、庵谷村の西にあって登る者必ずここで憩う。故に杖植(つえたて)峰」、また『大豊町史』に「この峠は黒石から北川に抜ける当時の土佐北口の街道であった」と記され、天正年間(1573〓1592)には存在していたとされている(『大豊史談』第五号、朝倉慶景氏)。(以上「土佐の峠風土記」より)