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広島県と岡山県の県境。現国道182号は大正年間に拡張された道を基礎にしているが、それより古い峠は改修を免れて以前の面影を残しているという(経緯度は推定の地点)。国境に二本松があったために地名として残された。
山陰道、山陽道の次席に相当する東西を結ぶ峠道であり、各時代とも政治・軍事上の要衝として重要視された。二本松集落には番所も設けられている。
早稲田大学に在学中の若山牧水が、郷里の宮崎へ向かう途次にこの峠で一夜を明かしている。「幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅行く」の短歌を詠んだ地。(「ふるさとの峠と街道」)