木頭村の宇井の内に、師匠と十二人の弟子が住んでいた。不自由な生活に嫌気がさした弟子たちは、町へ出ることを師匠に進めたが、聞き入れられず、弟子たちは師匠を池に切り落して殺してしまう。そうして星尾峠を越えて逃げようとしたが、ここで次々に腹痛を起こして死んでしまった。それ以来この峠を十二弟子峠と呼ぶようになったという。(以上「阿波の交通(上)」に引用された『木頭村誌』より)