甲州裏街道として庶民や商人の行き交いでにぎわった。中里介山の「大菩薩峠」で有名。現在の峠は明治期に新たに作られたもの。 明治の頃まで毎年三月四日に雲峰寺のお坊さんが峠に登って、旧峠の塞の河原にあった妙見大菩薩の祠に詣でて祭事を行なったそう。同寺には武田信玄の「風林火山」の軍旗や日の丸の旗などの寺宝もあり。(「串田孫一編『峠』」)