|
江戸と甲州とを最短ルートでつなぐ甲州街道(甲州道中)の最大の難所。慶長年間から元和年間にかけて大きな改修を受け、両者を3日でつなぐ街道となった。車道開通の正確な工事年は不明だが、昭和13年に自動車に対応した整備が行われ、峠に延長240mの笹子トンネルが作られている。むしろ明治36年に完成した鉄道中央本線の笹子トンネル(延長4656m、当時の日本で最長)が著名か。(「峠の道路史」)
なお車道の笹子トンネルは古典様式の装飾が施されており、大月側の坑門は赤煉瓦張りにディンテルとバロック風の突起を持つ笠石、ピラスター(付け柱)が見事。大和村の側は白石積みポータルに同様の笠石を頂く。日本土木学界選の「近代土木遺産2000選」に選ばれ、Aランクに指定されている。(「日本の近代土木遺産」)