鹿児島城下から南薩地方の中心・加世田郷へ向かう街道「谷山筋」の最大の難所。現在は県道谷山-伊作線が通るが、昔は鹿児島市街地から20kmほど南の中山待ち滝之下から「掛橋坂」「赤土坂」という2つの坂を上って峠へ向かった。峠道には島津家十五代貴久にまつわる逸話が多く残る。大永7(1527)年、出水城主島津実久の反乱にあい、鹿児島城を離れて田布施(現・金峰町)へ向かった時も、この峠から南西へ山中を進むルートをとった。(「九州の峠」)