地形図では「椎葉越」だが、椎葉村では「五家越」「樅木越」、五家荘村の樅木では「那須越」、そして共通の名称として「ぼんさん越」と呼ばれている。寺がない樅木の集落にとって、椎葉村日添の称専坊からお坊さんが越えて来る峠なのである。昔は峠まで見送りがあったり、峠で酒を酌み交わしたりといったこともあったようだが、昭和62年に峰越え林道が完成し、お坊さんも車で行き来するようになった(「九州の峠」)。なお出典の時点(平成8年刊)ですでに旧峠は廃道化していたようだ。
・分水嶺辞典・椎葉越