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峠の名前は峠西麓にある保福寺(文永5年・1268年建立)に由来。信濃国における初期の東山道は、信濃坂(神坂峠)→高遠→杖突峠→大門峠→雨境峠→碓氷坂(入山峠)とされている。後期は筑摩郡・小県郡を重視する背景からこの峠を越えるルートになったとされる(はじめは小県郡、のちに筑摩郡に国衙が置かれた)。近世に入るとこの峠のほか武石峠もよく利用されたが、明治に入ると三才山峠道が整備され、よく利用されるようになった。
明治24年8月、ウォルター・ウェストンがこの地に立ち、日本アルプスの眺めを称賛した。また峠には「信濃路は今の墾道刈株に足踏ましむな履はけわが夫」の万葉歌碑が建つ。現在は国道143号に指定。(「道の道路史」)